NEW 6/29着の記事です(パリコロ) |
Juillet 2015 パリのバス停がリニューアル |
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もともとパリのバス停は、路線の番号を書いた簡単な立て札(?)、棒のようなものがあるだけだったのですが、それが場所によっては、ベンチとその上に屋根が作られるようになりました。はっきりと覚えてはいませんが、十年前ぐらいから、○○方面行きはあと何分という形で表示がされるようになりました。それで、バス停でいつ来るかもわからぬバスをいらいらしながら待つというストレスはなくなったのですが、スマートフォンの普及によって、パリ交通公団のアプリケーションを携帯にダウンロードして、家を出る前に、次のバスはあと何分か調べて、それに合わせてバス停に向かう人が増えました。
これによって、スマホを持っている人と持っていない人との間に、バス待ちによって引き起こされるストレスの差が出て来たわけです。そこで、スマホを持っていない人へのサービスということなのかはわかりませんが、ここ最近、バス停のリニューアルが進んでいます。写真をご覧になればわかりますが、かなり遠くからでも見える大きな表示の棒が立っています。これに路線番号とバス待ちの時間が表示されています。以前も表示はありましたが、バス停のベンチの上に小さく表示されていたので、すぐそばまで行って眼を凝らさなければ見えなかったのですが、これで二十メートルぐらいの距離から待ち時間がわかるようになりました。また大きく「BUS」と書かれているので、観光客にも便利になりました。
パリは古い建物だけ見ると、戦争中と比べてもあまり変化はないのですが、この新しいハイテクのバス停は、パリの景観にちょっぴりだけ変化を与えています。 |
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Avril 2013 夏日となった日曜日 4月15日 |
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今年の冬は寒さが厳しく、その上、3月末でも気温が零度まで下がるなど、非常に長い冬だったのですが、昨日の日曜日はいきなり気温が25度まで上がり、春を通り越して、夏のような一日となりました。こうなると日頃のビタミンD不足を取り戻そうと、フランス人はみんな外に出ます。太陽の当たるカフェのテラスはすべて席がうまっていました。公園には、もうすでに水着を下に着てやって来て、シートを芝生の上に敷いてから、おもむろにTシャツを脱ぎ、日光浴をする人もいます。さすがに、こういう大胆なことをするのは、若い人の中にはあまりいません。パリはかなり北に位置するため(稚内市よりもさらに北)、春の訪れが日本よりも遅い上、冬の間は曇天が多く、日照時間が少ないため、季節性のうつ病になる人も少なくなりません。病気まではいかなくても、抑うつ気分になりがちなので、少しでも太陽が出ると、気分転換にみんな外に出ます。
オランド大統領が公約に掲げた「みんなのための結婚」法案が、先週の金曜日に上院でも可決され、そして議会での審議が5月に予定されていたのを前倒しされたのを受けて、フランス各地でこれに反対するデモが繰り広げられました。お天気が良かったので、参加者の数はさらに増えたようです。
ありさ(2013年4月15日) |
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Mars 2013 食品の安全性について 3月5日 |
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有名食品メーカーの冷凍食品の中に、牛肉でなく馬肉を使っていたことが発覚し、フランスでは大きな問題となっています。しかも、ただの馬肉ではなく、病死した馬の肉だったということまでわかり、大騒動となっています。 けれども、この問題が生じる前から、食の安全性に疑問を持っていた人はいます。そういう人たちは有機食品を扱うスーパー(BIOの店)で、食品を買っています。BIOの店の商品は普通の店よりもやや高めなので、その値段でもあえて買うという客層に限られますが、それでも、パリ市内では、BIOのスーパーが増えてきています。女性だけでなく、男性客も見られます。フランスにはエコロジストの政党もあり、環境問題や、食品や日用雑貨の安全性に敏感な人たちが一定数います。
さて、問題のあった冷凍食品はすぐさま回収された訳ですが、これら行き先のなくなった冷凍食品を慈善団体に寄付してはという案が出されています。慈善団体側では、衛生上で問題がないことを証明し、コストの問題(冷凍食品を運ぶには、それ専用のトラックが必要)さえ解決できれば、引き取ってもよいと表明しています。つまり、馬肉であろうとも、食べて問題がなければ、それでいいというスタンスです。
この馬肉問題が浮上したことにより、冷凍食品やレトルト食品の中身に疑問を持ち、大型スーパーで安くて簡単に作れる食品を買うことに抵抗を感じる人が増えることだろうと思っていたら、事件後、冷凍食品の売り上げが40パーセントも減っているようです。今回の事件の結果、面倒でも素材を買って、自分で料理をしなければいけないと考える人が増えそうです。
ありさ(2013年3月5日) |
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Janvier 2013 スターバックスのパリ進出について 1月9日 |
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〜マウスポインタを当てるともう一枚〜 |
パリは大都市ではあるものの、保守的なヨーロッパの一都市であることには変わりなく、非常に変化の少ない街です。しかしながら、最近のグローバリゼーションの波には対抗することができず、昔ながらの小売店はどんどん姿を消し、洋服関係ではZARAやH&Mなどに取って代わられ、食品関係では、カルフールの小型スーパーであるカルフールマーケットが雨後の筍のように増殖しています。
そんな中で、昔ながらのカフェはパリジャンから愛されてきたのですが、ついに、この方面にまでアメリカ資本が進出してくるようになりました。スターバックスは最初のうちはオペラ座界隈とか、シャンゼリゼなどの観光地にしかなかったのですが、それが今では至るところにできています。私の住んでいる十五区ですと、Vaugirardと Boucicautの駅のそばに小さなスタバがあるのですが、最近Charles Michelsの駅前にあったドラッグストアーまでがスタバになってしまいました。これでは、一キロあるけば、スタバに当たるという状態です。
スタバの値段は伝統的なカフェよりもやや安いこと、カフェにはない飲み物があること、最初にお金を払うので、ギャルソンをわざわざ呼んで注文したり、お金を払うという面倒くささがない(なかなか来ないことが多い)、ネット環境が整っている、といった点で人気があるのだと思います。
スタバの客層は学生や女性が多いので、従来のカフェを脅かすほどのことはないと思いますが、スタバの緑色の看板がそこかしこに目につくようになると、パリらしさが失われたような感じで、少し残念な気がします。
ありさ(2013年1月9日)
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Février 2012 厳冬の中のsolidarité 2月3日 |
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この冬、日本はかなり寒いそうですが、パリではずっと暖冬が続いていました。最高気温が10度前後の日が多く、そのかわり、薄暗い曇り空の日や小雨の日が続いて、鬱陶しいお天気でした。
ところが、今週に入ってから大寒波が到来して、今朝のパリの気温は氷点下8度まで下がりました。ここ数日、寒さが厳しいけれども、晴天が続いていて、非常に気分も良いし、出かけたくなるのですが、一歩外に出ると、あまりの寒さに家に逆戻りしたくなるほどです。 雪が降っている訳ではないので、道路が凍てついて滑るという危険性はないのですが、テレビやラジオでは高齢者の人たちになるべく家にいるように呼びかけています。非常に冷たい空気を吸う事によって、もともと心臓に問題がある人、呼吸器官に問題がある人にとっては、大きな問題を引き起こす可能性があるようです。
またホームレスの人たちにとっては、凍死する危険があります。夜の間、赤十字などのボランティアたちが、トラック(救急車の大きいタイプ)でパリ市内を巡回し、ホームレスがいないか見回っています。ホームレスを見つけると(だいたい暖をとるために、ウォッカなどの強い酒を飲んで酔っぱらっている場合が多い)、特別な施設に行くように勧めます。酔っぱらっているために、いやがる人もいるようですが、それをなんとか説得して、トラックに乗せて、施設まで連れて行きます。
ボランティアをしている人たちをテレビで紹介していましたが、まだ若い人たちが多いです。見ず知らずのホームレスたちのために、寒い中を活動している彼らを見ると、solidarité(連帯すること)をいかにフランス人が重視しているかよくわかります。フランス人は非常に個人主義ですが、困っている人のために自分が何かしようという意志もとても強いのです。
ありさ(2012年2月3日) |
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Octobre 2011 10月4日 |
先週から一週間ほど、夏に戻ったかのようなお天気が続きました。パリでも最高温度が二十八度ぐらいまで上がり、みんなすでに片付けていた夏服やサンダルをひっぱりだすことになりました。 |
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この写真は三日にノートルダム近くのセーヌ河岸で撮ったものです。お昼頃ですが、もうかなり暑くなっています。河の土手の階段にいる人たちは何をしているかというと、陽の良く当たるこの場所で、お昼ご飯を食べているのです。
パリは秋分の日を過ぎると、あれよあれよという間に日照時間が短くなります。十月最後の日曜日で冬時間になるので、十一月一日の万聖節の頃には、小雨の降るどんよりと曇り空になり、しかも暗くなるのが早くなります。春分の日がやってくるまでは、晴天が少なく、医者がビタミンDを処方するぐらい、日射量が少ないのです。このために、季節的なうつ病にかかる人もいて、このような一時的なうつ病には、特殊なライトを浴びる治療が行われます。晴れた日が多い日本の冬とは大違いです。このように太陽に餓えたパリの人たちは、天気の良い日には外で日光浴をするのです。 またサンドイッチなどを公園のベンチなどで食べる人が多いのは、レストランの値段が異常に高くなったからなのです。学生の場合、お金がないので、サンドイッチを戸外で食べるのは普通ですが、社会人でも最近はこのような食事をする人が増えています。カフェでも食事が取れますが、ユーロ導入後、物価が上昇し、今ではカフェでも最低12ユーロはします(10年前は7ユーロぐらいでも食べられました)。しかも、レストランと違って、それほどおいしくはありません。そういう訳で、中国人がやっている中華のおかず(ベトナム風ですが)を選んで簡単に食べられる安い店や、紙の容器に入れてくれるパスタのファーストフードの店が大流行りです。なんといっても値段が安いのです。今や、パン屋のサンドイッチも5ユーロ近くするので、それに2ユーロ足したぐらいの値段で一応「料理」したものが食べられるということは、みんなにとってうれしいことです。
フランス人は絞まり屋なので、何も買うにしても、その質が値段に見合っているか(qualité prix)ということを考えます。これはお金持ちの人も同じで、1ユーロぐらいのことでも、彼らにとっては、意外と重要な問題だったりします。
ありさ(2011年10月4日) |
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Avril 2011 サマータイムについて 4月2日 |
フランスでは3月の最後の日曜日にサマータイムが始まります。今年は27日の午前2時に時計の針を3時に進めました。冬時間に戻すのは10月の最後の日曜日で、 |
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時計の針を1時間戻します。最近、ようやく朝起きた時が明るくなってきて、うれしかったのですが、サマータイムの導入によって、7時ではまだ暗い状態に逆戻りしてしまいました。そのかわり、日没が遅くなり、夜7時半ぐらいまで明るくなりました。これから夏にかけて、どんどん日が長くなり、6月にもなると夜10時ぐらいまで明るい状態になります。
サマータイムを最初に提案したのは、Benjamin Franklinだと言われています。1784年にLe Journal de Paris(パリ新聞)紙上でエネルギー節約のため、サマータイムの導入というアイデアを発表しましたが、結局後が続かずに終わりました。
この時から100年以上も後の1907年に、イギリスでサマータイム制度が導入されました。フランスでは、1917年からこの制度が行われるようになりましたが、1945年ヴィシー暫定政府の時代にやめることになりました。その理由はフランス国内にドイツ占領地域があり、そこではドイツ時間が使われていて、混乱を防ぐために、サマータイム制度が放棄されるに至りました。
しかし、1973年の石油ショックの時に夜間の照明に使われるエネルギーを節約するため、再びサマータイム制度が導入され、現在まで続いています。この制度については、全国民が被る不便と比べて、節電量がたいしたものではないとか、家畜(乳牛など)がこうした時間の変化に対応するのが難しい、初春では朝早く起きると暖房をつけることになるなど、否定的な意見もあります。けれども春から夏にかけて、夜遅くまで明るく、みんな仕事の後に出かけたい気分になるので、経済効果はあると私は思っています。 ありさ(2011年4月2日) |
(フランスではこの手の八重桜はわりとどこでも咲いています。
濃いピンク色の花を見ると、日本のほのかな桃色のソメイヨシノが懐かしくなります。) |
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Janvier 2011 公現祭とガレット・デ・ロワ 1月14日 |
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1月の初めにはまだクリスマスの飾り付けがついたままなのですが、ガレット・デ・ロワ(Galettes des Rois)がパン屋、ケーキ屋の店頭に並び始めます。これは基本的にアーモンドクリーム(frangipane)が中に入ったしっとりしたパイのことです。フランスでは、東方の三博士が幼児イエスを訪問、礼拝したことを記念する公現祭の日(Epiphanie)の前後にこのガレットを食べる習慣があります。公現祭は1月6日ということになっていましたが、現在はクリスマスから2週目の日曜日と決められ、今年は1月2日がそれにあたります。
ガレットは1人用の小さいものから、10人用の大きなものまであります。この中にフェーヴ(fève,そらまめの意味)という陶器で作られた人形が入っていて、みんなに切り分けた際、そのフェーヴが入っていた人が王様あるいは女王ということで、王冠をかぶり、その一年が幸運であると言われています。現在ではクリスマスの際にチョコをたくさん売ってしっかり稼いだパン屋、ケーキ屋が、一息つく間もなくガレットで一儲けという感じで、やや商業主義の感じがあります。ガレットはアーモンドクリームが基本ですが、今はリンゴ味、ラズベリー味と種類も増え、フェーヴもプラスチック製の子どもが喜びそうなオブジェになっていたりします。ガレットを買うと、必ず金色の紙でできた王冠がもらえます。
1975年以来、毎年1月にフランスのパン・ケーキ職人連合の代表をエリゼ宮に招待し、大統領がガレット・デ・ロワを試食する習慣があるようですが、ちなみにこのガレットの中にはフェーヴが入っていないそうです。なぜなら、フランス共和国の大統領は王になってはいけないからです。 ありさ(2011年11月14日)
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