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NEW                             6/29着の記事です(パリコロ)
Juillet 2015 パリのバス停がリニューアル 

 もともとパリのバス停は、路線の番号を書いた簡単な立て札(?)、棒のようなものがあるだけだったのですが、それが場所によっては、ベンチとその上に屋根が作られるようになりました。はっきりと覚えてはいませんが、十年前ぐらいから、○○方面行きはあと何分という形で表示がされるようになりました。それで、バス停でいつ来るかもわからぬバスをいらいらしながら待つというストレスはなくなったのですが、スマートフォンの普及によって、パリ交通公団のアプリケーションを携帯にダウンロードして、家を出る前に、次のバスはあと何分か調べて、それに合わせてバス停に向かう人が増えました。

これによって、スマホを持っている人と持っていない人との間に、バス待ちによって引き起こされるストレスの差が出て来たわけです。そこで、スマホを持っていない人へのサービスということなのかはわかりませんが、ここ最近、バス停のリニューアルが進んでいます。写真をご覧になればわかりますが、かなり遠くからでも見える大きな表示の棒が立っています。これに路線番号とバス待ちの時間が表示されています。以前も表示はありましたが、バス停のベンチの上に小さく表示されていたので、すぐそばまで行って眼を凝らさなければ見えなかったのですが、これで二十メートルぐらいの距離から待ち時間がわかるようになりました。また大きく「BUS」と書かれているので、観光客にも便利になりました。

 パリは古い建物だけ見ると、戦争中と比べてもあまり変化はないのですが、この新しいハイテクのバス停は、パリの景観にちょっぴりだけ変化を与えています。
Avril 2013       夏日となった日曜日            4月15日
 今年の冬は寒さが厳しく、その上、3月末でも気温が零度まで下がるなど、非常に長い冬だったのですが、昨日の日曜日はいきなり気温が25度まで上がり、春を通り越して、夏のような一日となりました。こうなると日頃のビタミンD不足を取り戻そうと、フランス人はみんな外に出ます。太陽の当たるカフェのテラスはすべて席がうまっていました。公園には、もうすでに水着を下に着てやって来て、シートを芝生の上に敷いてから、おもむろにTシャツを脱ぎ、日光浴をする人もいます。さすがに、こういう大胆なことをするのは、若い人の中にはあまりいません。パリはかなり北に位置するため(稚内市よりもさらに北)、春の訪れが日本よりも遅い上、冬の間は曇天が多く、日照時間が少ないため、季節性のうつ病になる人も少なくなりません。病気まではいかなくても、抑うつ気分になりがちなので、少しでも太陽が出ると、気分転換にみんな外に出ます。 
 オランド大統領が公約に掲げた「みんなのための結婚」法案が、先週の金曜日に上院でも可決され、そして議会での審議が5月に予定されていたのを前倒しされたのを受けて、フランス各地でこれに反対するデモが繰り広げられました。お天気が良かったので、参加者の数はさらに増えたようです。
                       ありさ(2013年4月15日)
Mars 2013     食品の安全性について            35
  有名食品メーカーの冷凍食品の中に、牛肉でなく馬肉を使っていたことが発覚し、フランスでは大きな問題となっています。しかも、ただの馬肉ではなく、病死した馬の肉だったということまでわかり、大騒動となっています。  けれども、この問題が生じる前から、食の安全性に疑問を持っていた人はいます。そういう人たちは有機食品を扱うスーパー(BIOの店)で、食品を買っています。BIOの店の商品は普通の店よりもやや高めなので、その値段でもあえて買うという客層に限られますが、それでも、パリ市内では、BIOのスーパーが増えてきています。女性だけでなく、男性客も見られます。フランスにはエコロジストの政党もあり、環境問題や、食品や日用雑貨の安全性に敏感な人たちが一定数います。
 さて、問題のあった冷凍食品はすぐさま回収された訳ですが、これら行き先のなくなった冷凍食品を慈善団体に寄付してはという案が出されています。慈善団体側では、衛生上で問題がないことを証明し、コストの問題(冷凍食品を運ぶには、それ専用のトラックが必要)さえ解決できれば、引き取ってもよいと表明しています。つまり、馬肉であろうとも、食べて問題がなければ、それでいいというスタンスです。
 この馬肉問題が浮上したことにより、冷凍食品やレトルト食品の中身に疑問を持ち、大型スーパーで安くて簡単に作れる食品を買うことに抵抗を感じる人が増えることだろうと思っていたら、事件後、冷凍食品の売り上げが40パーセントも減っているようです。今回の事件の結果、面倒でも素材を買って、自分で料理をしなければいけないと考える人が増えそうです。
                       ありさ(2013年3月5日)
Janvier 2013   スターバックスのパリ進出について      1月9日
〜マウスポインタを当てるともう一枚〜

 パリは大都市ではあるものの、保守的なヨーロッパの一都市であることには変わりなく、非常に変化の少ない街です。しかしながら、最近のグローバリゼーションの波には対抗することができず、昔ながらの小売店はどんどん姿を消し、洋服関係ではZARAH&Mなどに取って代わられ、食品関係では、カルフールの小型スーパーであるカルフールマーケットが雨後の筍のように増殖しています。
 そんな中で、昔ながらのカフェはパリジャンから愛されてきたのですが、ついに、この方面にまでアメリカ資本が進出してくるようになりました。スターバックスは最初のうちはオペラ座界隈とか、シャンゼリゼなどの観光地にしかなかったのですが、それが今では至るところにできています。私の住んでいる十五区ですと、Vaugirard Boucicautの駅のそばに小さなスタバがあるのですが、最近Charles Michelsの駅前にあったドラッグストアーまでがスタバになってしまいました。これでは、一キロあるけば、スタバに当たるという状態です。
 スタバの値段は伝統的なカフェよりもやや安いこと、カフェにはない飲み物があること、最初にお金を払うので、ギャルソンをわざわざ呼んで注文したり、お金を払うという面倒くささがない(なかなか来ないことが多い)、ネット環境が整っている、といった点で人気があるのだと思います。
 スタバの客層は学生や女性が多いので、従来のカフェを脅かすほどのことはないと思いますが、スタバの緑色の看板がそこかしこに目につくようになると、パリらしさが失われたような感じで、少し残念な気がします。
                       ありさ(2013年1月9日)

Février 2012       厳冬の中のsolidarité            2月3日
-マウスポインタを当てると一部(屋根の辺り)拡大-
 この冬、日本はかなり寒いそうですが、パリではずっと暖冬が続いていました。最高気温が10度前後の日が多く、そのかわり、薄暗い曇り空の日や小雨の日が続いて、鬱陶しいお天気でした。
 ところが、今週に入ってから大寒波が到来して、今朝のパリの気温は氷点下8度まで下がりました。ここ数日、寒さが厳しいけれども、晴天が続いていて、非常に気分も良いし、出かけたくなるのですが、一歩外に出ると、あまりの寒さに家に逆戻りしたくなるほどです。 雪が降っている訳ではないので、道路が凍てついて滑るという危険性はないのですが、テレビやラジオでは高齢者の人たちになるべく家にいるように呼びかけています。非常に冷たい空気を吸う事によって、もともと心臓に問題がある人、呼吸器官に問題がある人にとっては、大きな問題を引き起こす可能性があるようです。
 またホームレスの人たちにとっては、凍死する危険があります。夜の間、赤十字などのボランティアたちが、トラック(救急車の大きいタイプ)でパリ市内を巡回し、ホームレスがいないか見回っています。ホームレスを見つけると(だいたい暖をとるために、ウォッカなどの強い酒を飲んで酔っぱらっている場合が多い)、特別な施設に行くように勧めます。酔っぱらっているために、いやがる人もいるようですが、それをなんとか説得して、トラックに乗せて、施設まで連れて行きます。
 ボランティアをしている人たちをテレビで紹介していましたが、まだ若い人たちが多いです。見ず知らずのホームレスたちのために、寒い中を活動している彼らを見ると、solidarité(連帯すること)をいかにフランス人が重視しているかよくわかります。フランス人は非常に個人主義ですが、困っている人のために自分が何かしようという意志もとても強いのです。                         ありさ(2012年2月3日
Octobre 2011                         10月4日
 先週から一週間ほど、夏に戻ったかのようなお天気が続きました。パリでも最高温度が二十八度ぐらいまで上がり、みんなすでに片付けていた夏服やサンダルをひっぱりだすことになりました。
(マウスポインタを当てると一部拡大)
 この写真は三日にノートルダム近くのセーヌ河岸で撮ったものです。お昼頃ですが、もうかなり暑くなっています。河の土手の階段にいる人たちは何をしているかというと、陽の良く当たるこの場所で、お昼ご飯を食べているのです。
 パリは秋分の日を過ぎると、あれよあれよという間に日照時間が短くなります。十月最後の日曜日で冬時間になるので、十一月一日の万聖節の頃には、小雨の降るどんよりと曇り空になり、しかも暗くなるのが早くなります。春分の日がやってくるまでは、晴天が少なく、医者がビタミンDを処方するぐらい、日射量が少ないのです。このために、季節的なうつ病にかかる人もいて、このような一時的なうつ病には、特殊なライトを浴びる治療が行われます。晴れた日が多い日本の冬とは大違いです。このように太陽に餓えたパリの人たちは、天気の良い日には外で日光浴をするのです。 またサンドイッチなどを公園のベンチなどで食べる人が多いのは、レストランの値段が異常に高くなったからなのです。学生の場合、お金がないので、サンドイッチを戸外で食べるのは普通ですが、社会人でも最近はこのような食事をする人が増えています。カフェでも食事が取れますが、ユーロ導入後、物価が上昇し、今ではカフェでも最低12ユーロはします(10年前は7ユーロぐらいでも食べられました)。しかも、レストランと違って、それほどおいしくはありません。そういう訳で、中国人がやっている中華のおかず(ベトナム風ですが)を選んで簡単に食べられる安い店や、紙の容器に入れてくれるパスタのファーストフードの店が大流行りです。なんといっても値段が安いのです。今や、パン屋のサンドイッチも5ユーロ近くするので、それに2ユーロ足したぐらいの値段で一応「料理」したものが食べられるということは、みんなにとってうれしいことです。
 フランス人は絞まり屋なので、何も買うにしても、その質が値段に見合っているか(qualité prix)ということを考えます。これはお金持ちの人も同じで、1ユーロぐらいのことでも、彼らにとっては、意外と重要な問題だったりします。
                                 ありさ(2011年10月4日)
Avril 2011         サマータイムについて       4月2日
 フランスでは3月の最後の日曜日にサマータイムが始まります。今年は27日の午前2時に時計の針を3時に進めました。冬時間に戻すのは10月の最後の日曜日で、
時計の針を1時間戻します。最近、ようやく朝起きた時が明るくなってきて、うれしかったのですが、サマータイムの導入によって、7時ではまだ暗い状態に逆戻りしてしまいました。そのかわり、日没が遅くなり、夜7時半ぐらいまで明るくなりました。これから夏にかけて、どんどん日が長くなり、6月にもなると夜10時ぐらいまで明るい状態になります。
 サマータイムを最初に提案したのは、Benjamin Franklinだと言われています。1784年にLe Journal de Paris(パリ新聞)紙上でエネルギー節約のため、サマータイムの導入というアイデアを発表しましたが、結局後が続かずに終わりました。
 この時から100年以上も後の1907年に、イギリスでサマータイム制度が導入されました。フランスでは、1917年からこの制度が行われるようになりましたが、1945年ヴィシー暫定政府の時代にやめることになりました。その理由はフランス国内にドイツ占領地域があり、そこではドイツ時間が使われていて、混乱を防ぐために、サマータイム制度が放棄されるに至りました。
 しかし、1973年の石油ショックの時に夜間の照明に使われるエネルギーを節約するため、再びサマータイム制度が導入され、現在まで続いています。この制度については、全国民が被る不便と比べて、節電量がたいしたものではないとか、家畜(乳牛など)がこうした時間の変化に対応するのが難しい、初春では朝早く起きると暖房をつけることになるなど、否定的な意見もあります。けれども春から夏にかけて、夜遅くまで明るく、みんな仕事の後に出かけたい気分になるので、経済効果はあると私は思っています。     ありさ(2011年4月2日)
 (フランスではこの手の八重桜はわりとどこでも咲いています。
 濃いピンク色の花を見ると、日本のほのかな桃色のソメイヨシノが懐かしくなります。)
Janvier 2011       公現祭とガレット・デ・ロワ         1月14日

(マウスポインタを当てると一部拡大)

 1月の初めにはまだクリスマスの飾り付けがついたままなのですが、ガレット・デ・ロワ(Galettes des Rois)がパン屋、ケーキ屋の店頭に並び始めます。これは基本的にアーモンドクリーム(frangipane)が中に入ったしっとりしたパイのことです。フランスでは、東方の三博士が幼児イエスを訪問、礼拝したことを記念する公現祭の日(Epiphanie)の前後にこのガレットを食べる習慣があります。公現祭は1月6日ということになっていましたが、現在はクリスマスから2週目の日曜日と決められ、今年は1月2日がそれにあたります。
 ガレットは1人用の小さいものから、10人用の大きなものまであります。この中にフェーヴ(fève,そらまめの意味)という陶器で作られた人形が入っていて、みんなに切り分けた際、そのフェーヴが入っていた人が王様あるいは女王ということで、王冠をかぶり、その一年が幸運であると言われています。現在ではクリスマスの際にチョコをたくさん売ってしっかり稼いだパン屋、ケーキ屋が、一息つく間もなくガレットで一儲けという感じで、やや商業主義の感じがあります。ガレットはアーモンドクリームが基本ですが、今はリンゴ味、ラズベリー味と種類も増え、フェーヴもプラスチック製の子どもが喜びそうなオブジェになっていたりします。ガレットを買うと、必ず金色の紙でできた王冠がもらえます。
 1975年以来、毎年1月にフランスのパン・ケーキ職人連合の代表をエリゼ宮に招待し、大統領がガレット・デ・ロワを試食する習慣があるようですが、ちなみにこのガレットの中にはフェーヴが入っていないそうです。なぜなら、フランス共和国の大統領は王になってはいけないからです。           ありさ(2011年11月14日)


Décembre 2010          パリの雪                        12月24日

(マウスポインタを当てると一部拡大)

 今年のパリは11月末から雪が降ることが多く、厳しい冬になっています。
 12月8日には朝10時頃から、わりとしめったぼたん雪が降り出し、夕方までずっと降り続きました。午後4時にはパリ市内で11センチの雪が積もりました。1987年に14センチの積雪があって以来のことらしいです。午後3時には大型トラックの高速道路への進入が禁止されたのですが、時すでに遅く、パリ近郊の高速道路や国道では大型トラックが立ち往生して、わりと早い時期に出動していた除雪車の仕事を妨げてしまいました。そのため、パリ近郊の幹線道路は除雪作業がうまく行われず、凍結した道もあり、パリ郊外の会社では家に帰ることができず、会社に泊まった人、また不幸にも社内で夜を過ごした人もいたようです。ラジオのインタビューでは、パリ南西部のベリジー市(Vélizy)にあるショッピングセンターのパーキングから出るのに2時間かかり、ようやく通りに出たら、大渋滞でまたしても250メートル進むのに2時間かかっているという苛立ちの声が聞かれました。
 翌日、フィヨン首相はこうした大混乱の原因はフランス気象台(météo France)が大雪警報を出すのが遅すぎたため、大型トラックの高速道路への進入禁止命令を発令するのが遅くなったためであると、フランス気象台を非難しました。
 そして、22日にはまたしても雪の予報が出て、早々にパリ近郊での大型トラックの進入禁止命令が発令されました。今回の雪は確かに長時間降ったのですが、粉雪が吹きぶっただけだったので、たいして積もることはなく、大騒ぎしたわりには、たいしたことがなく終わりました。このため、仕事が遅れて、荷物をきちんと配達できなかった運送会社は不満を訴えていました。こうした経緯は雪国の人たちから見れば、お笑い沙汰のようです。                  ありさ(2010年12月24日)

Novembre 2010
コンコルド広場の大観覧車  (La Grande Roue Place de la Concorde)  11月26日
 クリスマスの飾り付けやイルミネーションが用意されるこの時期になると、コンコルド広場に大観覧車が設置されます。今年は11月19日から来年の2月27日までの予定です。毎日、朝11時から夜中12時まで乗ることができ、料金は大人が10ユーロ、10歳以下の子どもが5ユーロとなっています。
 乗ったことのある友人の話によると、この観覧車は日本のものと違い、覆いがなく (コーヒーカップ状態)、冬のこの時期には非常に寒く、その上、60メートルの高さがあるのに屋根がないので、落ちそうな感じがあり、高所恐怖症の人にはとても厳しいものだそうです。真ん中の支柱を回すと、観覧車自体も回るようになっていて、本当の空中コーヒーカップのようで、私の友人は同乗したフランス人がくるくる回してくれたお陰で、パリの夜景を見るどころか、恐怖の時間を味わったそうです。
 パリには15区のアンドレ・シトロエン公園 ( Parc André Citroën ) の気球やエッフェル塔など、戸外の高い場所でパリの景色を楽しめるところがありますが、いずれにしても高所恐怖症の人には楽しむのが難しいかもしれません。そういう人はモンパルナスタワーのように建物の中にいながら、景色を見るというのがお薦めです。
                                ありさ(2010年11月26日)



Octobre 2010
秋のコンコルド広場 10月8日
 日本と違い、パリはあっという間に 秋になってしまいます。もうすでに木の葉も色づき、枯れ葉が道に落ちています。昨日、今日とめずらしく暖かな晴天に恵まれたのですが、夏から秋への変わり目の時期は、しばしば小雨の降る、もの悲しい天気が続くことが多いです。11月1日は カトリックのお祭り、 万聖節(Toussaint)の日で、全ての聖人を祝う日と なっています。 2日が キリスト教では 死者の記念日(Commémoration des morts)となっています。フランスでは 1日が祝日ということで、多くの人たちが、この日にお墓参りをしています。お墓には長いろうそくと菊の花が供えられます。なぜか毎年、この日は とりわけ 雨が降り続く、暗くて悲しい1日になることが多いです。 
 日本でいうところの、お盆やお彼岸に 相当するような日ですが、キリスト教では 魂は永遠不滅と考えられており、仏教でよく言われる 輪廻転生という考え方は キリスト教圏では、受け入れがたいもののようです。                                        ありさ(2010年10月8日)

Mai 2010
シャルトル日帰り旅行
 フランスでは幼稚園から園にいる時間帯が8時半〜16時半と決められています。当然、小学校でもこれと同じ時間帯なので、一日の勉強量は日本より多いようです。そのかわり、わりと頻繁に小さなバカンスがあります。4月には復活祭の頃に2週間のバカンスがあります。フランスを3つのゾーンに分けて、バカンスの時期が少しずつずらしてありますが、今年、パリは4月17日から5月2日までが復活祭のバカンスでした。この期間中、パリにしてはめずらしく暖かくて晴天が続いたので、パリの南西90キロのところにある小都市シャルトルに行ってきました。
 駅を降りると、小高いところに大聖堂の屋根が見えています。12〜13世紀にかけて建造されたもので、ユネスコの世界遺産に指定されています。とりわけ、ステンドグラスが非常に美しく、有名です。
 旧市街を周遊するオープンバスに乗って、古い町並みを見ました。街のどこからも、大聖堂が目に入り、中世においては、この大聖堂が住民の心の支えとなっていたのだろうと思われました。道は細く、入り組んでいて、こじんまりとした古い建物が続いていました。数百年前に建てられたという、しっくいと木材を使った家などもありました。外側から見たら、とても素敵ですが、実際住んでみると、フランスでよくありがちな水回りなどの問題が数多く発生しそうです。
 平日だったので、観光客も非常に少なく、また現地の人もあまりいませんでした。オフィスなどは旧市街にはないのか、理由はわかりませんが、とても静かでした。
 なんとなく、日本のさびれた地方都市が思い出されて、いずこも大変なのかもしれないと思ったりしました。
 
ありさ2010年5月4日


Janvier 2010
ARISA
 日本は厳冬のようですが、フランスでも年末からずっと例年よりも寒い日が続いています。
パリはかなり冷え込んでも、基本的に雪が降らないのですが、今年は4日に1度ぐらいの割で
頻繁に雪が降っています。パリ市内の積雪量はおそらく2センチほどだと思われますが、それ
でも子供たちは大喜びです。しかし、パリのような都会では、雪が降ったらすぐに塩をまいて、
滑らないようにする措置が取られます。塩はフランス語で sel ですが、このような塩まき作業
のことを salage と言います。塩と言っても、5ミリ大ぐらいのかなり大粒の塩で、色も白くは
ありません。
 この冬は普段なら雪の降らないような地方でもかなりの雪が降っており、また田舎では都会と
違い、塩まき作業や、雪かきの作業をするための人員が限られていて、雪のために家に閉じ込め
られて外出できない人が出ています。また、地方には一軒家が多く、こうした家では割安という
ことで、灯油での暖房を行っている家が多いのですが、雪のために灯油の配達が滞って、暖炉や
電気ストーブで暖をとっている人もいるようです。日本とは違い、天井の高い広い家が多いので、
寒さは格別だと思われます。
 この寒さはまだまだ続くようで、せっかくのバーゲン(solde)でも、寒さや降雪のため、人の
出が例年より少ないようです。                   ありさ2010年1月13日


Septembre 2009
        フランスの新学期(Rentrée scolaire)

 他の欧米諸国と同じく、フランスでも九月に新学期が始まります。中学、高校は二日の水曜日が新学期開始日でした。小学生は基本的に水曜日が休みなので、三日の木曜日に学校が始まりました。
 日本と違うところは、新学期に一年分全ての文房具を揃えなければならない点です。文房具のリストは前もって渡されます。八月末になると、それを持って、スーパーや文房具店できょろきょろと目当ての物を探すお母さんたちの姿が見られます。一年分ですから、ノートは五冊以上買わなければなりません。学校の始まる初日に子供たちはすべてを持っていかなければならないので、小さい子供にはかなり重い荷持になってしまいます。以前、小学校の先生をしていたフランス人女性にこの理由を尋ねたところ、もし一年分を最初に用意しておかないと、足りなくなった時にすぐに用意しない親がいるためだということでした。
ARISA
 フランスのノートで、学校で使う物は、だいたい三種類の大きさがあり、紙の枚数も私の知っているだけでも、四種類(48,96,140,192pages)はあります。また筆記体の字がきちんと書けるように、方眼紙になっていますが、この方眼紙にも二種類あり(grands carreaux et petits carreaux)、学校のリストには、どの大きさで、何枚の、どの方眼紙のノートといったように、細かい指定がされています。また、学校からの連絡の手紙や詩などの書かれたプリントはすべてノートに貼らなくてはならないので、大きな糊も必要です。これはUHUというメーカーの物が推奨されています。
 教科書はA4で分厚い表紙のついた重い本である場合が多く、子供たちは日本のランドセルよりも大きなかばんを背負って通学しています。あるいは、ひっぱり型のキャスターつきのかばんを持っている小学生もいます。小学校の高学年あたりから、リュックを持つ子供が増えます。教科書、ノートが重いので、しっかりした作りの物を使っている場合が多いです。
 かばんの重いことが子供の背骨に悪影響を与えると、新学期になるたびに、テレビで医者が発言していて、軽いかばんが開発されたりしているようですが、なぜか教科書やノートを軽くする方向には行かないようです。                   ありさ 9月10日

   今回は、ありさ先生寄稿フランスの古い絵本についての解説をご紹介します。教師らしい観点のミニ解説です!
                                             (7月21日)
Juillet 2009

  Le petit chat timide
   「はにかみやの子猫ちゃん」
            1961年
兄弟の中で1匹だけはにかみやで、でも外部の世界に興味を持つ子猫の話が描かれています。ヨーロッパの童話によくある、同じ文章の繰り返しが見られます。ややキッチュな色使いが、現代にも通用する絵になっています。

   Youpi à l'école
「学校に行くユピー」1955年
ユピーが他の動物たちと一緒に小学校に行く様子が描かれています。登場するのはすべて動物ですが、フランスの小学校の様子が描かれていて、読み方、算数などを習い、態度や成績の良い子が bon point というカードをもらうところまで、まったく同じです。

 Youpi et Caroline 「ユピーとカロリーヌ」1966年
この小さな可愛い本の中では、ユピーという犬とカロリーヌという小さな少女との出会いが描かれています。絵は昔ながらの写実的で、生き生きとした絵で、この挿し絵がメインなのです。小さな子供向けの絵本で、ストーリーというものはほとんどなく、いくつかのエピソードがつながっています。しかしユピーの勇気とカロリーヌの優しさがとても感じられる教育的絵本といえます。
 Caroline visite Paris  「カロリーヌ、パリへ行く
カロリーヌが動物たちと一緒にパリ観光をするというお話です。パリの観光名所一箇所につき、2ページがさかれていて、カロリーヌが両親へ送る絵葉書が紹介されています。カロリーヌは一人で旅行するには年齢が低すぎる、動物と一緒にオペラ座には行けないなど、非現実的なお話ですが、パリに行ったことのない子供には興味をそそられるお話になっています。
文 ありさ
 Janvier 2009   
         
    フランス語筆記体の指導状況
 
 フランスの幼稚園は école maternelle と呼ばれ、一応「学校」扱いなので、年長組から、文字を習い始めます。最初はアルファベットを読むことから始め、それからブロック体を書く練習をし、学校によっては筆記体を教えます。幼稚園、小学校1年生のうちは小文字だけを学び、2年生ごろから筆記体の大文字も習います。先生が板書する時も、生徒たちがノートに取るときも、筆記体で書きます。フランスの学校では先生がすべてを板書しないので、口頭で説明されることを書き写さなければなりません。その場合、筆記体であれば、かなり速く書きとることができます。また、小学校低学年では、筆記体をお手本のようにきれいに書く écriture という科目があります。日本の習字に相当します。dictée (書き取り)のテストでまったく間違いがなくても、字が汚いからという理由で満点をもらえないことがあります。
ARISA
 筆記体が読めないと、授業中、先生の書いていることが読めませんし、レストランの手書きのメニューが読めないことがあります。フランス人がパソコンでなく、ペンで字を書くときは、筆記体あるいは、くずしたブロック体で書くのが普通です。日本では筆記体を学習しないことになっているようですが、フランスに留学する場合には筆記体が読めないと大変苦労します。しかし、小学校で徹底的にきれいな筆記体を書く練習をさせられたわりには、大学の先生や医者の書く字は解読不能の場合が多いのが不思議です。
                           ありさ(2009年1月27日)



 パリのクリスマス                     Décembre 2008

ARISA

 あっという間に2008年もあとわずかとなりました。
 フランスでも地球温暖化問題が重要視されており、去年あたりから、クリスマス期間の電飾にかけるエネルギーを節約すべきであるという声が挙がり、エネルギー消費量の少ない電球が使われるようになりました。昨年からシャンゼリゼのイルミネーションはまばゆいほどの黄色い光から、シックな銀色の光になっています。観光地では、低ワット数の電球を使っても、おしゃれな凝った装飾がしてあり、あまり違和感はないのですが、商店街などでは、この不景気のため、商店があまり電飾費を出さなくなったことと、それに加えて低ワット数の電球―青い光のものが多い―を使うようになったため、はっきり言って地味で貧弱なイルミネーションになってしまいパリジャンを失望させています。
 エッフェル塔も青色の光で飾られています。晴れやかさはありませんが、さすがにこれだけ大きいので、夜空に浮かび上がる青いエッフェル塔というのは、また、違った美しさがあります。
                               ありさ(12月24日)

Septembre  2008
 夏のバカンスに入る前から、carte・orange カルトオランジュがなくなり、passe・Navigo パス・ナヴィゴに切り替わるという宣伝を地下鉄の中でやっていましたが、ついに9月になって、カルト・オランジュと1週間使えるcoupon・ebdomadaire クーポン・エブドマデールは使えなくなってしまいました。パス・ナヴィゴというのは写真を添えて申し込めば3週間ほどで郵送されます。これにはチップが付いているので、窓口か、専用の機械でチャージします。1週間から可能です。ただ、1か月チャージする場合は、その月の1日から最後の日までしかチャージできないので、チャージをするのは前月末か月初めにしないともったいないことになってしまいます。例えば、9月15日に1か月分チャージしても、9月30日までしか有効ではありません。JRが出しているカードとは違い、ある意味、融通のきかないシステムですが、それがまたフランスらしいのかもしれません。パス・ナヴィゴ導入の目的はカルト・オランジュの不正使用(他人のものを借りる)をなくすためだろうと思われます。カルト・オランジュは写真のついた台紙の部分と、切符の部分とが別だったので、いくらでも他人と共有することが可能だったのです。今度からはICチップ付きの写真が印刷されたカードなので、そういう不正はできなくなりました。           ありさ(9月16日)

            ARISA
  Juin  2008
                         photo by ARISA
 6月25日からソルド、すなわちバーゲンが始まりました。
 Soldes と普通は複数形で使います。動詞はsolder で安売りするという意味です。
 ソルドは1か月ほど続くので、最初の2週間ほどは3割以上安くすることはあまりないのですが、今年は不景気で、マスコミでよく言われているように「購買力」(pouvoir d'achat)の低下が著しいので、2週目にして50パーセント引きの店が続出しています。
 在庫として残るよりは、安くしてでも売ってしまいたいといいうことなのでしょう。
 写真は子供服のチェーン店で、子供の服はバーゲンでかなり売れるものなのですが、
もうすでに50パーセント引きのポスターが貼ってあります。しかし、学校は27日で終わるところも多く、すでにバカンスに出発してしまった人もいて、いつもはにぎやかなこの商店街もひっそりとしています。             ありさ(2008年6月29日)



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